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ターボポンプ解析技術

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)

報告書番号: R25JG3214

利用分野: 研究開発

PDF(準備中)

  • 責任者: 清水太郎, 研究開発部門第三研究ユニット
  • 問い合せ先: 根岸 秀世(negishi.hideyo@jaxa.jp)
  • メンバ: Ashvin Hosangadi, 雨川 洋章, 大門 優, 福田 太郎, 藤原 大典, 深澤 修, 伊藤 浩之, 根岸 秀世, 中島 健賀, 大野 真司, 外山 雅士, 山本 姫子, Andrea Zambon

事業概要

ターボポンプは液体ロケットエンジン開発においてコストや期間, リスクの観点で依然としてボトルネックなコンポーネントである. また, ターボポンプはそれ自体がポンプ, タービン, 軸受, 軸推力バランス機構, シール機構等のサブコンポーネントで構成される複雑なシステムであり, ターボポンプシステム全体を評価できる解析技術は世界的にも存在しない. またサブコンポーネントレベルの数値シミュレーション技術自体も, 予測精度が低いため試験による設計妥当性評価が必須となる.

本研究では, ターボポンプに係る数値シミュレーション技術の予測精度を高めつつ, ターボポンプシステム全体の評価を可能とする解析技術を目指す. その解析技術の活用により, 試験削減・代替を可能として今後のロケットエンジン開発をより低コスト, 短期間で実現可能となる. また, ロケットエンジンのポンプやタービンは, 一般産業界のものより小型で高速回転など極限環境で使われるために効率が低いことが知られている. 近年ではAdditive manufacturing技術の進展により, 従来では不可能であった形状の製品開発も可能となってきており, 本研究で構築するターボポンプ解析技術を活用することで, 革新的な高効率ターボポンプの設計実現を目指す.

参照URL

https://stage.tksc.jaxa.jp/jedi/simul/index.html 参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

・JAXAの技術でしか実現できない計算精度, 現象忠実度が高い大規模解析を可能とすること

・JAXAにおけるロケット開発の中でタイムリーに解析を実施し, 限られた期間内に結果を多数提示すること

・機微情報となるロケット関連情報をJAXA内のみで閉じて扱えること

今年度の成果

タービン解析技術については, LE-9の開発課題と認識されたタービンフラッタに関連して, 流体-構造双方向連成解析手法(in-house CFDソルバー「UPACS-turbo」 +オープンソースFEMソルバー「FrontISTR」+オープンソースカプラー「preCICE」)を静止翼列(航空部門aFJRプロジェクト成果)試験に適用し, フラッター発生有無の条件判別に成功した(図1).

ポンプ解析技術については, 予測の難しいインデューサ吸い込み特性の予測技術の高度化を進めた. 本年度は, キャビテーションを考慮したインデューサ詳細流れ場の大規模Larget Eddry Simulation(LES)を実施し, 角田宇宙センターで実施したインデューサキャビテーション試験の吸込特性を従来法(RANSソルバー)より良好に再現することを実証した(図2).

Annual Report Figures for 2025

図1: 静止翼列の流体構造双方向連成解析結果

 

Annual Report Figures for 2025

図2: LESによるインデューサ吸い込み特性解析結果

 

成果の公表

-口頭発表

1) 雨川洋章, 根岸秀世, 藤原大典, 大野真司, 賀澤順一, "流体-構造連成解析による低圧タービン静翼列のフラッター予測:双方向連成解析," 第39回数値流体力学シンポジウム, 2025年12月18日.

2) 根岸秀世, 雨川洋章, 大野真司, 藤原大典, 賀澤順一, "流体-構造連成解析による低圧タービン静翼列のフラッター予測:片方向連成解析," 第39回数値流体力学シンポジウム, 2025年12月18日.

3) 根岸秀世, 山本啓太, 福田太郎, 島垣満, 川崎聡, "ロケットエンジン用インデューサ入口上流の逆流渦構造に関する非定常PIV計測とLES解析," ターボ機械協会第92回総会講演会, 2025年5月23日.

4) 山本啓太, 島垣満, 川崎聡, 根岸秀世, "ロケットエンジン用インデューサの動特性評価," ターボ機械協会第92回総会講演会, 2025年5月23日.

5) 根岸秀世, 山本啓太, 福田太郎, 島垣満, 川崎聡, "ロケットエンジンインデューサのキャビテ―ションLESの基礎検討," ターボ機械協会第93回松江講演会, 2025年12月1日.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: FLAT
  • プロセス並列数: 4992
  • 1ケースあたりの経過時間: 288 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 2.19

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 57196831.60 2.59
TOKI-ST 261402.82 0.27
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 432.02 0.03
TOKI-TST 28954.60 0.47
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 0.00 0.00
/data及び/data2 281600.00 1.86
/ssd 0.00 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 68.90 0.21

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 1295.56 0.91

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)