全球高解像度土地利用土地被覆分類に関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)
報告書番号: R25JER20252
利用分野: 宇宙技術
- 責任者: 落合治, 第一宇宙技術部門地球観測研究センター
- 問い合せ先: 平山颯太(hirayama.sota@jaxa.jp)
- メンバ: 田殿武雄, 平山颯太
事業概要
第一宇宙技術部門では, 便益共創事業の一環として, 衛星データを活用した国内外の自然系クレジット市場の獲得を目指している. その実現に向けて, 森林吸収源インベントリの整備や自然資本の把握手法の確立を進めており, 地球観測衛星による広域かつ高精度な森林面積, 樹種・樹高, ならびに土地利用土地被覆変化の把握が重要な要素となっている. 特に土地利用土地被覆情報は, バイオマスマップ等の自然資本評価の基盤となるベースマップとして機能し, その高精度化は多様な分野(生物多様性, 農林水産, 環境, 防災, 公衆衛生等)での利活用促進に不可欠である. しかしながら, 既存の全球土地被覆図はカテゴリ定義や精度の面で課題があり, より高精度・高解像度な全球データ整備が求められている.
EORC/ALOSグループではこれまで, ALOS-2/PALSAR-2等のデータを用いて日本およびベトナムを中心に高精度・高解像度土地利用土地被覆図(HRLULC)を整備し, さらに南アジア地域での全球展開に向けた試行も進めてきた. 第5期中長期計画においては, 自然資本, 高精度3次元地形情報, 水循環といった重点テーマの基盤情報としてHRLULCの重要性が位置付けられており, 日本域で実証された精度を全球へ展開することが急務となっている. 本事業では, これらの背景を踏まえ, 全球規模での高精度・高解像度HRLULCの整備を目標とする.
参照URL
https://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/jp/dataset/lulc_j.htm 参照.
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
現在, 日本域等のHRLULCの作成には機械学習を用いたアルゴリズムをベースに使用しており, 全球のプロダクトを作成するとなると, 部署所有の計算機リソースでは1回あたりの処理に213.2日必要となる. 特に本事業では「高精度なプロダクトの公開」が求められており, その実現のためには複数の分類パターンを実験・実証することが必須条件となる. そのためには, 複数台の高性能なGPUを備えた計算機環境が必要となるが, 新規GPUサーバの調達や環境整備を今年度中に完了し, 分類まで行うことは時間的に困難である. このような背景の下, JSSは本業務の遂行においてきわめて重要な役割を果たす. JSS3の高性能な計算機資源を活用することで, 必要な分類試行を現実的な枠内で実行可能となり, 第5期中長期目標の実現に大きく貢献する.
今年度の成果
本年度は衛星データなどの入力データの前処理, 分類カテゴリの設定, 教師検証点情報の取得を行い, 試行回数確保のためプロダクトの解像度を落とした状態での分類試行を行った. また, 全球HRLULCの分類用にアルゴリズムを更新し, 試行結果として全体精度84.61%を達成した. 分類カテゴリは全23カテゴリである(図1参照).
図1: 全球HRLULC試行結果(カテゴリ:水域, 人工構造物, 一期水田, 多期水田, 一期畑地, 多期畑地, 果樹園, 草地, 落葉広葉樹林, 落葉針葉樹林, 常緑広葉樹林, 常緑針葉樹林, ゴムノキプランテーション, ヤシノキプランテーション, マングローブ林, 低木林, 裸地, ソーラーパネル, 湿地, 農業用温室, コケ類・地衣類, 氷河・多年生雪渓, 養殖場)
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 1 - 10
- 1ケースあたりの経過時間: 10 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.15
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 3433868.40 | 0.16 |
| TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-GP | 69.67 | 0.00 |
| TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 0.00 | 0.00 |
| /data及び/data2 | 665600.00 | 4.39 |
| /ssd | 30720.00 | 1.87 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.07 | 0.00 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)
