静粛超音速機技術の研究開発
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)
報告書番号: R25JA3800
利用分野: 航空技術
- 責任者: 牧野好和, 航空技術部門Re-BooTプロジェクトチーム
- 問い合せ先: 石川敬掲(ishikawa.hiroaki2@jaxa.jp)
- メンバ: 赤塚 純一, 石川 敬掲, 小金澤 慎弥, 金森 正史, 近藤 賢, 嶋田 凌, 三木 肇, 中 右介, 篠塚 温志, 曽根田 健輔, 武田 寿人, 上野 篤史, 湯原 達規, 松山 力生
事業概要
民間超音速機開発の機運が高まる中, 我が国の航空機製造産業の国際競争力強化のためには, 欧米をしのぐ技術力を獲得していくことが重要である. また超音速飛行による移動時間の短縮でビジネスや観光の面からの経済活動活性化や, エコノミークラス症候群の抑制などの搭乗者の健康面など, そのメリットは大きい. これを踏まえ, 「静かな超音速機」の実現に必要な鍵技術を獲得し, 航空機製造産業と将来航空輸送の発展に貢献することを本事業の目的とする. 本事業では, ソニックブーム推算/計測/評価技術の研究開発により陸地上空超音速飛行に必要なICAO における国際基準策定に関与するとともに, 民間超音速機成立の鍵となる低ブーム/低抵抗/低騒音/軽量化を同時に満たす統合設計技術の研究開発を行い, これらの技術目標を同時に満たす超音速機概念を提示する活動を行っている.
参照URL
https://www.aero.jaxa.jp/research/frontier/sst/ 参照.
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
低ブーム/低抵抗を満たす次世代超音速旅客機の開発には精度の良い数値シミュレーションによって, 空力やソニックブーム特性を推算する必要がある. 様々な形状の空力特性を高精度かつ高効率に推算し低ブーム超音速旅客機の設計を行うためにJSSを活用している.
今年度の成果
低ブーム機体形状設計手法は, 大きく二つに分類される.
一つは逆問題的アプローチにより機体形状を設計する手法であり, 目標とする等価断面積分布をあらかじめ設定し, 機体の等価断面積分布がこれに近づくよう, 形状修正を反復的に行う.
もう一つは順問題的アプローチによる設計手法で, 最適設計手法を用いて設定された設計空間内において, ソニックブーム強度が最小となる機体形状を探索する.
JAXAにおける低ブーム機体設計では, 先端ブームの低減に逆問題的手法を適用し, 後端ブームの低減には主として順問題的手法を適用している.
具体的には, 胴体の等価断面積分布が理想的な分布に近づくよう逆問題的に胴体形状を設計することで先端ブームを低減し, 機体後部形状については, 代理モデルを用いた最適設計により, 順問題的に後端ブームを最小化する.
このうち, 後端ブーム低減に関しては, 最適化問題の設定において前方マッハ円錐を利用することで, 効果的な設計空間を構築する手法を提案した.
本手法を, 最大ブーム強度が約96 dBとなる基準形状に適用した結果, 先端および後端ブームの双方を低減することにより, 約10 dBの低減効果が得られた.
これらの成果は, 日本航空宇宙学会第63回飛行機シンポジウムにおいて報告された.
成果の公表
-査読なし論文
上野篤史, 牧野好和: NASA/Boeing N+2 コンセプト機に対するオフトラック
ロバスト低ブーム設計の適用, 第63回飛行機シンポジウム, 2025.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 自動並列
- プロセス並列数: 960 - 3840
- 1ケースあたりの経過時間: 100 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 2.20
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 51268683.06 | 2.32 |
| TOKI-ST | 1098568.58 | 1.14 |
| TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-XM | 22689.17 | 7.80 |
| TOKI-LM | 130093.15 | 9.80 |
| TOKI-TST | 868.21 | 0.01 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 0.00 | 0.00 |
| /data及び/data2 | 0.00 | 0.00 |
| /ssd | 0.00 | 0.00 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 23.50 | 0.07 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 11700.42 | 8.20 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2025年2月~2026年1月)


