流れの特徴構造に着目した能動的気流制御則の構築に向けた大規模数値解析
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)
報告書番号: R24JACA58
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 佐藤慎太郎, 東北大学
- 問い合せ先: 佐藤 慎太郎(shintaro.sato.c3@tohoku.ac.jp)
- メンバ: 佐藤 慎太郎, 佐々木 文哉
事業概要
流体機械において流れを望ましい状態に制御することはエネルギー損失の観点から重要な技術である. しかし, 流体機械周りの流れは乱流に遷移している場合が多く, 流れ場の状態を正確に把握し, 適切な制御入力を決定することは困難である. 本研究では, 複雑な流れ場データの中から, 能動的制御を実現するうえで重要な流れの特徴構造を抽出し, それに基づく新たな流体制御則を提案・構築することを目的とする.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
本研究では, 乱流場の時系列データから特徴構造を抽出し, その特徴構造のパラメータ依存性をモデリングし, 能動制御に向けた知見を獲得することを目的としている. 従って, この目標を達成するためには, 多数のパラメータに対する乱流場の時系列データを取得することが必要不可欠である. JAXA スーパーコンピュータを使用することで, 多くのパラメータに対する乱流場の数値計算を実行することができ, 得られらた数値計算結果から抽出される特徴構造のパラメータ依存性の調査が可能になる.
今年度の成果
今年度は, 主に解析を実施するための流れ場の時系列データの取得を行なった. 特に, 翼周り流れを対象として, large eddy simulation を実施し, さまざまな迎え角に対する流れ場データを取得した. これらの時系列データから特徴構造を抽出し, 異なる迎え角同士の間の関係性を議論することによって, 翼周りの流れ場の特徴構造のパラメータ依存性を議論することが可能になると期待される. また, 抽出された特徴構造のパラメータ依存性を議論するためのフレームワークとして, 行列多様体を用いた解析手法を考案した.
成果の公表
-口頭発表
1) S. Sato, "Estimation of subspace spanned by proper-orthogonal-decomposition modes for parameterized reduced-order-model in aerodynamics," AIAA AVIATION Forum, July 2025, Las Vegas.
2) 佐藤 慎太郎, "部分空間の推定に基づくロバストな低次元モデリングに関する研究," 日本流体力学会年会 2024, 仙台.
3) S. Sato and O. T. Schmidt, "Parameterized reduced-order-modeling based on matrix manifold", APS Division of Fluid Dynamics Annual Meeting 2024, Salt Lake City, UT.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 1 - 1024
- 1ケースあたりの経過時間: 72 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.07
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 1460956.87 | 0.07 |
TOKI-ST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 95.00 | 0.06 |
/data及び/data2 | 117710.00 | 0.56 |
/ssd | 0.00 | 0.00 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 3.47 | 0.01 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)