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航空宇宙推進系における燃焼および乱流場の二次元モデリングに関する研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)

報告書番号: R24JDA201J05

利用分野: 航空技術

PDF(はここからダウンロード)

  • 責任者: 中北和之, 航空技術部門基盤技術研究ユニット
  • 問い合せ先: 松山 新吾(matsuyama.shingo@jaxa.jp)
  • メンバ: 井口 小太郎, 森合 秀樹, 松山 新吾

事業概要

航空エンジン・ロケットエンジンなどの航空宇宙推進系の開発を効率化するため, 燃焼・乱流現象を高忠実に再現可能なLESを設計プロセスに組み込みたいというニーズは高い. しかしながら, LESは三次元解析が必須な手法であり計算コストが非常に大きいため, 実際の開発において設計プロセスに広く組み込まれているとはいいがたい. 本研究では, 本質的に三次元な現象である燃焼・乱流現象を二次元モデリングにより低次元化することで二次元LESを実現し, 推進系の設計に利用可能なレベルまで低コスト化することを目指す.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

三次元の物理現象が支配的な燃焼器について二次元近似によりモデリングを行うためには高忠実な燃焼LESのデータが必要となるが, 燃焼LESでは化学反応により生じる多数の化学種に関する支配方程式を三次元非定常問題として解かなければならない. このような解析は計算コストが非常に高く, スーパーコンピュータを使用しなければ実行は不可能である.

今年度の成果

エチレンを燃料としたマッハ2の超音速キャビティ燃焼流れについて, 22化学種の詳細燃焼反応モデルを使用してimplicit LES(ILES)による三次元解析を実施した. 空間高次精度化(スカラーを三次, 速度成分を五次で高次精度化)により, 227万セルという比較的粗い格子を用いた計算で超音速キャビティ燃焼の三次元的な構造を捉えることができた(図1). JSS3の66ノード(3168コア)を使用して1ケースあたり約48時間で計算が完了した.

Annual Report Figures for 2024

図1: ILESにより得られた超音速キャビティ燃焼流れの様子. マッハ数(上図), 温度(中図)およびH2Oモル分率(下図)の分布を表示.

 

成果の公表

-口頭発表

1) 井⼝ ⼩太郎, 棟⻑ 光太朗, 松⼭ 新吾, 森合 秀樹, "スクラムジェットキャビティ保炎器の燃焼流れ場予測⼿法の構築とシュリーレン可視化実験による検証," 第62回燃焼シンポジウム, 2024.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 450 - 1576
  • 1ケースあたりの経過時間: 72 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.31

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 8466623.69 0.39
TOKI-ST 13917.30 0.01
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 1048.50 0.71
/data及び/data2 11771.00 0.06
/ssd 10491.00 0.56

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 2.76 0.01

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 6.28 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)