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降水観測ミッション利用研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)

報告書番号: R24JR1400

利用分野: 宇宙技術

PDF(はここからダウンロード)

  • 責任者: 沖理子, 第一宇宙技術部門地球観測研究センター
  • 問い合せ先: 久保田拓志(kubota.takuji@jaxa.jp)
  • メンバ: 東上床 智彦, 正木 岳志, 伊藤 誠人, 山本 宗尚, 久保田 拓志

事業概要

熱帯降雨観測衛星TRMMや全球降水観測計画GPMを活用した全球雨分布データを,GSMaP最新アルゴリズム(V8), およびGSMaP準リアルタイム雨量計補正版アルゴリズム(V8)を用いて1997年12月から2000年2月の期間で処理する.

参照URL

GPM Website」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

アルゴリズムの評価,改善やプロダクト作成のため,降水観測に関する複数衛星・センサデータを用いた長期処理を短期間で処理するために,JSS3が必要.処理アルゴリズムの複雑さのため,JSS3の厳格な事業進捗管理,緊急対応,運用側によるきめ細かなユーザ対応等が求められ,JSS3を利用しなければ,短期間での再処理は達成し得ない事業と言える

今年度の成果

衛星全球降水マップGSMaPは, 全球降水観測(GPM)計画の下, GPM主衛星に搭載された二周波降水レーダ(DPR)を中心に, 複数の降水を観測する衛星や静止気象衛星を組み合わせて開発した世界の雨マップである. JAXAが開発し, プロダクトは世界中で利用されている. 2021年度に, 2000年以降の衛星観測期間に対して最新のGSMaPアルゴリズム(V8)で処理されたプロダクトが公開され, 現在も現業運用されている. GSMaPは2026年度にアルゴリズムバージョンアップを予定しており, 更なる開発が進められている.

今年度はJSSを用いて, PIが開発を進めている降水レジームやノイズテーブルを用いたGSMaPの処理を実施した. GSMaP V8の評価より, 静止衛星が観測したIR域の降水推定に課題があることが示唆されている. そのためPIによるIR域の降水推定に用いるノイズテーブルの改良が進められており, V8から導入されたIR域に補正が施されるヒストグラムマッチとノイズテーブルの調整が実施された. 従来のGSMaP MVK V8と調整されたノイズテーブルを用いたGSMaP MVK V8の差分を図1に示す. 南アメリカ北部に着目した場合, 開発版ノイズテーブルを用いると降水が減少することがわかる. 他方, 東南アジア域では降水が増加するように改良されている. また, LookUpTableを作成する改良版MMLモジュールを用いた処理, 開発版降水レジームを用いた処理を実施した. ほかにも, SSMIS F18を除くSSMISに対して, 降雪判定を除いた処理を実施した. JSS3を用いることで処理時間を短縮できたため, 開発のサイクルを加速することができた.

Annual Report Figures for 2024

図1: 従来のGSMaP_MVK_V8と開発版ノイズテーブルを用いたGSMaP_MVK_V8の差分

 

成果の公表

-査読付き論文

Kubota, T., M. K. Yamamoto, M. Ito, T. Tashima, H. Hirose, T. Ushio, K. Aonashi, S. Shige, A. Hamada, M. Yamaji, N. Yoshida, and M. Kachi, 2025: Construction of a longer-term and more homogeneous GSMaP precipitation dataset. Radar Meteorology and its Applications, in press.

-査読なし論文

Naoko Sugita, Naoko Matsuo, Takuji Kubota, and Misako Kachi, 2025: Earth Observation for Digital Twin: Fusion of Smart City and Satellite Data for Japan’s Energy Transition, The Energy Transition in Japan.

Smart Cities and Smart Solutions, Chapter 13.

-招待講演

T. Kubota et al., "Evaluation of Effects on Dual-Frequency Precipitation Radar Observations Due to the Orbit Boost of the GPM Core Observatory," Proc. IGARSS 2024, pp. 709-712, doi: 10.1109/IGARSS53475.2024.10641066.

-口頭発表

Kubota, T., Masaki, T., Kikuchi, G., Ito, M., Higashiuwatoko, T., Kanemaru, K., Takahashi, N., Yamamoto, K., Furukawa, K., and Nio, T.: Early evaluation of effects on Dual-frequency Precipitation Radar observations by the orbit boost of the GPM Core Observatory , EGU General Assembly 2024, Vienna, Austria, 14–19 Apr 2024, EGU24-4232, https://doi.org/10.5194/egusphere-egu24-4232, 2024.

-Web

https://www.eorc.jaxa.jp/GPM/

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: 非該当
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 1
  • 1ケースあたりの経過時間: 24 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.02

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 102822.11 0.11
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 26.67 0.02
/data及び/data2 90353.33 0.43
/ssd 0.00 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 53.89 0.18

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.00 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月~2025年1月)