JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月～2025年1月)

報告書番号: R24JR2100

利用分野: 宇宙技術

PDF(準備中)

• 責任者: 須藤洋志, 第一宇宙技術部門衛星利用運用センター
• 問い合せ先: 塩見慶, 梶浦梨央, 石田慎(shiomi.kei@jaxa.jp;kajiura.rio@jaxa.jp;ishida.shin@jaxa.jp)
• メンバ: 新井 雅仁, 後藤 貴志, 橋本 真喜子, 早坂 英俊, 石田 慎, 今中 誠, 木幡 賢二, 梶浦 梨央, 片岡 文恵, 加藤 瑞章, 菊地 信弘, 松本 和浩, 間渕 知行, 西戸 至, 須藤 洋志, 末武 秀己, 上田 陽子, 植松 海, 箭野 柊

事業概要

GOSATはミッション期間の5年を超えて約16年の観測を継続し, 適正に校正された高スペクトル分解能データを供給している. 全体的な機能や性能は良好で, SNRとスペクトル分解能に大きな劣化は観察されていない. 衛星上でいくつかの異常が見つかったが, その後は安定している. 打ち上げ以降, これらの異常に対応するためにレベル1アルゴリズムが更新されている.

参照URL

「HOME – GOSAT – JAXA」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

GOSATプロダクトの再処理対象は過去に取得した全観測データであり, 標準処理よりもより多くの計算機リソース（コア, メモリ, ストレージ等）を必要とします. 再処理の期間を短縮し, 再処理後のプロダクトをより早くユーザに提供するためにJSS3の利用が必要です.

今年度の成果

(1) GOSAT TANSO-CAIデータの校正検証

TANSO-CAI 観測データからセンサ感度変化を評価し, 輝度校正係数を決定するための解析処理を行い, 該当期間のバンド1の校正係数を決定した. バンド1はエアロゾルの粒径分布等の重要な情報を含むため, バンド2およびバンド3の校正後の輝度に併せて, バンド1の輝度を最適化する. バンド2およびバンド3の輝度校正係数が3候補あるため, 3条件でバンド1の輝度校正係数を計算し, 決定することができた. Fig. 1に計算の仕組み, Fig. 2 に計算結果を示す.

期間：2024年2月～2024年10月 （4か月おき）

(2)OSバージョンアップに伴うGOSATレベル1処理の精度検証

ミッション運用系システムのOSのバージョンアップ後にレベル1処理固有部ソフトウェアが問題なく動作することを確認し, 異常なプロダクトが生成されていないことを確認するための精度検証を実施し, 有意な差がないことを確認した.

図1: GOSAT CAIデータ処理フロー（上図）, および輝度校正フロー（下図）

図2: 衛星間比較手法により導出したCAI輝度校正係数

成果の公表

-Web

https://www.eorc.jaxa.jp/GOSAT/currentStatus_11_j.html

https://data2.gosat.nies.go.jp/gallery/CAIL3oneday_en.html

JSS利用状況

計算情報

• プロセス並列手法: 非該当
• スレッド並列手法: 非該当
• プロセス並列数: 1
• 1ケースあたりの経過時間: 30 分

JSS3利用量

総資源に占める利用割合※1(%): 0.06

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

ISV利用量

※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2024年2月～2025年1月)