航空機認証DX(飛行性CbA)に関する研究開発
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JCMP50
利用分野: 競争的資金
- 責任者: 橋本敦, 航空技術部門航空プログラムディレクタ付
- 問い合せ先: 航空技術部門 航空機DXチーム 石田崇(ishida.takashi@jaxa.jp)
- メンバ: 橋本 敦, 林 謙司, 井手 優紀, 石田 崇, 古賀 星吾, ラッシャー デービッド, 松﨑 智明, 中北 和之, 小島 良実, Andrea Sansica, 鳥井田 浩也, 山本 貴弘, ザウナー マルクス
事業概要
本事業は, NEDOによる「経済安全保障重要技術育成プログラム/航空機の設計・製造・認証等のデジタル技術を用いた開発製造プロセス高度化技術の開発・実証」(以降Kプロと呼称)への提案に対応するものである. 国内重工メーカーとJAXAが共同でこの提案を行い採択されている. Kプロは, 2023年度から2027年度までの期間で, 大きく4つの項目の実施が要求されているが, その一つが本事業の認証DXである.
認証DXでは, 安全性を担保しつつ効率的な認証プロセスを推進するため, 航空機メーカや認証機関, 国際WGと連携を図りながら実用性の高いCbA(Certification by Analysis)を実証するとともにCbAガイドラインを構築し, さらにMBSE(Model Based Systems Engineering)を用いたシステムモデルで, 設計, 認証, 生産のプロセスともデジタルプラットフォーム上で統合するすることを目的としている. 具体的な実施事項としては構造/飛行性/耐雷のCbAガイドライン構築, CbA模擬審査, CP(Certification Plan)に係るMBSE適用が計画されている.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
本事業では, 縦及び横・方向のトリム・静安定に関するCbAを実機飛行データと比較することによって実証し, 飛行性CbAのガイドライン作成も行うが, これらに必要となる解析にJSSを用いることを計画している.
飛行性CbAのガイドライン作成にあたっては,
・複数の舵面をパラメトリックに組み合わせ膨大な計算ケースを実施して実機飛行データと比較する必要がある,
・FaSTARを用いたRANS解析でも, 詳細に乱流現象を捉える必要があるため, 計算コストが膨大となる,
・離陸形態やRANS解析のV&V(Validation and Verification)のための格子細分化・非定常解析では格子数が増大し, 大規模な計算資源が必要となる,
・形状データの機密性を保持するため, 内部リソースを利用する必要がある,
といった理由からJSSを利用する必要があり, JSSから創出される成果は本事業の目的を達成するために必要不可欠である.
今年度の成果
縦及び横・方向のトリム・静安定に関するCbAの実証に向けて, 飛行条件や操舵面をパラメトリックに組み合わせた大量の解析を実施して空力データベースの構築を行った. また, V&Vの一環で格子収束の確認を行った.
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 480
- 1ケースあたりの経過時間: 60 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.97
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 42622288.47 | 1.92 |
TOKI-ST | 66176.95 | 0.07 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 3762.20 | 0.29 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 2617.49 | 2.17 |
/data及び/data2 | 314038.97 | 1.94 |
/ssd | 3561.20 | 0.34 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 69.08 | 0.25 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 152.86 | 0.07 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)