マイクロプラズマアクチュエータの表面分布法の検討
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JACA47
利用分野: JSS大学共同利用
- 責任者: 松野隆, 鳥取大学
- 問い合せ先: 松野 隆(matsuno@tottori-u.ac.jp)
- メンバ: 秦 力也, 長谷川 奈南, 金崎 雅博, 森澤 征一郎, 松野 隆, 西村 大生
事業概要
プラズマアクチュエータ (PA) は放電プラズマを利用した流体制御デバイスであり, プラズマの移動によって平滑な物体表面から壁面噴流が生成できるという, 流体力学的に非常に応用価値の高い特徴を持つ. 近年申請者らにより小スケールのPAを多数用いることにより, 表面に体積力分布を与える方法が提案されている. 本研究では高速流の境界層制御を念頭に置き, 3次元境界層の速度プロファイルを任意に制御するためのPA適用手法とその最適化手法について知見を得ることを目的とする.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
計算コストが高い大規模な3次元流体解析と空力設計を行うためにはスーパーコンピュータの演算能力が必要である. またJAXA JSS3は空力解析ツールの利用環境が整っており研究に最適である.
今年度の成果
今年度は, 昨年度に引き続き, 本研究に適用する最適設計手法の応用とデータマイニング手法について研究を実施した.
最適設計手法の応用においては, ベンチマーク問題として二次元単純形状に対する剥離抑制デバイスを対象とした設計探査を行い, 実問題に対する設計手法の有効性を検証した. 設計探査においては, RANS計算による空力解析を行うとともに, 開発された最適設計ツールを用いて最適化問題を解き, 最適設計手法と, それにより得られたデータのマイニング手法の有効性を調べた. 数値計算にはJAXAで開発されたFaSTARを用いた. またグリッド生成には同じくJAXAで開発された自動格子生成ソフトウェアであるHexaGridを用いた. 計算格子は20万点規模と小さい. 最適設計では多数の設計点からスプライン関数で形状を定義し, これを種々変更し格子を自動生成しながら数百サンプルを解析し解探索を行った.
図1に解析の一例として設計探査結果の散布図行列を示す. 二次元角柱に適用した剥離抑制デバイスの前方への突出し量 (x/H) , 側面への張出量 (z/H) , 前縁曲率 (x_curv.) , 側面曲率 (z_curv.) と抵抗係数 (Cd) の関係が示されている. 青点はCdが50%以上削減された群を示す. 抵抗係数が低減したデバイス形状の特徴として, 横方向の張出しよりも前方への突出し長さが長く, フェアリング先端の曲率は大きい一方で側面の曲率は小さく流れ方向と平行に近いことがわかる. これらの解析手法を用いることで, 目標であるマイクロ流体デバイスの最適設計と, その有効配置の特徴抽出が可能であることを確かめた.
成果の公表
-口頭発表
西村大生, 南角卓弥, 中川巧, 松野隆, “ブラフボディ前方の剥離流れを制御するデバイスの設計探査”, 日本機械学会中国四国支部第62期講演会, 05c1, 2024年3月.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 12 – 48
- 1ケースあたりの経過時間: 15 分
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.00
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 3.68 | 0.00 |
TOKI-ST | 495.27 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 163.33 | 0.14 |
/data及び/data2 | 12913.00 | 0.08 |
/ssd | 0.00 | 0.00 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)