ヘリコプタロータブレードの最適設計
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JDA201C22
利用分野: 航空技術
- 責任者: 保江かな子, 航空機ライフサイクルイノベーションハブ
- 問い合せ先: 木村桂大(kimura.keita@jaxa.jp)
- メンバ: 梶原 史裕, 木村 桂大, 杉浦 正彦, 菅原 瑛明, 田辺 安忠
事業概要
JAXA, DLR, ONERAの3機関が所持するヘリコプターブレードの解析ツールおよび最適化手法の検証及び知見の蓄積を目的として, 各種飛行条件のブレード形状最適化を各機関にて進めている. 今年度はヘリコプタの降下飛行条件におけるCFD解析にて得られた圧力分布もとに音響解析を実施し, 騒音性能の高いブレードに関する最適化を進めた. ヘリコプタの音響解析においてはブレードから発生する翼端渦を正確に解像することが重要であり, 高解像度の流体解析が求められる. 本報告書ではCFD解析結果の一部を紹介する.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
CFDを用いた最適化において, 設計変数を変化させた多数のケースをCFD解析で実施する必要があり, スパコンの利用が必須となる. DLR/ONERAも同様のHPC利用の解析を実施しており, スパコンを利用した結果を用いた比較・検討が適切である.
今年度の成果
JAXA-DLR-ONERAの3機関で, ヘリコプタの降下飛行に関する共通のロータブレード最適化問題を設定し, CFDを用いた形状最適化を進めた. まずはベースラインとなるHARTIIブレードに関する音響解析を実施し, 各機関の解析結果の比較を行った. その後, ブレード形状の最適化を実施した.
図1には, ヘリコプタの降下飛行条件におけるCFD結果を図示した. ロータブレードから発生した翼端渦が別のブレードと干渉する(Blade Vortex Interaction)と, 大きな騒音が発生することが知られている.
図2には, CFDで得られたロータブレード面上の圧力分布を用いて, 機体下部におけるnoise carpetをFWH法によって取得した例を示した. ロータブレードから発生する騒音は方位角に応じて大きく変化することが見て取れる.
成果の公表
-口頭発表
J. Bailly, G. Wilke, K. Kimura , Y. Tanabe, “JAXA-ONERA-DLR COOPERATION: RESULTS FROM MULTI-POINT AERODYNAMIC OPTIMIZATION OF A ROTOR IN HOVER AND FORWARD FLIGHT,” 49th European Rotorcraft Forum, Buckeburg, Germany, 2023.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 1
- 1ケースあたりの経過時間: 100 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.08
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 544252.68 | 0.02 |
TOKI-ST | 508656.60 | 0.55 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 1118.98 | 0.93 |
/data及び/data2 | 115685.73 | 0.71 |
/ssd | 31306.95 | 2.96 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)