温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)運用事業及びGOSAT利用研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)
報告書番号: R23JR2100
利用分野: 宇宙技術
- 責任者: 久世暁彦, 第一宇宙技術部門衛星利用運用センター
- 問い合せ先: 上田陽子, 梶浦梨央(ueda.yoko@jaxa.jp;kajiura.rio@jaxa.jp)
- メンバ: 新井 雅仁, 荒巻 紀子, 藤崎 善彦, 後藤 貴志, 橋本 真喜子, 早坂 英俊, 今谷 律子, 今中 誠, 木幡 賢二, 梶浦 梨央, 片岡 文恵, 久世 暁彦, 木下 貴文, 菊地 信弘, 松本 和浩, 中村 陽一, 薙野 綾, 沼田 貴也, 須藤 洋志, 上田 陽子, 植松 海, 箭野 柊, 吉田 武仁, 吉田 純
事業概要
GOSATはミッション期間の5年を超えて約15年の観測を継続し, 適正に校正された高スペクトル分解能データを供給しています. 全体的な機能や性能は良好で, SNRとスペクトル分解能に大きな劣化は観察されていません. 衛星上でいくつかの異常が見つかりましたが, その後は安定しています. 打ち上げ以降, これらの異常に対応するためにレベル1アルゴリズムが更新されています.
参照URL
http://www.eorc.jaxa.jp/GOSAT/index_j.html 参照.
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
GOSATプロダクトの再処理対象は過去に取得した全観測データであり, 標準処理よりもより多くの計算機リソース(コア, メモリ, ストレージ等)を必要とします. 再処理の期間を短縮し, 再処理後のプロダクトをより早くユーザに提供するためにJSS3の利用が必要です.
今年度の成果
(1) GOSAT TANSO-FTSレベル1プロダクトの再処理
GOSATのTANSO-FTS プロダクトのL1プログラムに不明事象が見つかり, その検証のため過去データのうち13年分の再処理プロダクトを2セット作成するためにスパコンを利用した. 従来筑波のシステムで3.3年間かかっていたが,スパコンを利用することにより約60日間で完了することができた.
(2) GOSAT TANSO-CAIデータの校正検証
TANSO-CAI 観測データからセンサ感度変化を評価し, 輝度校正係数を決定するための解析処理を行い, 該当期間のバンド1の校正係数を決定した. バンド1はエアロゾルの粒径分布等の重要な情報を含むため, バンド2およびバンド3の校正後の輝度に併せて, バンド1の輝度を最適化する. バンド2およびバンド3の輝度校正係数が3候補あるため, 3条件でバンド1の輝度校正係数を計算し, 決定することができた. Fig. 1に計算の仕組み, Fig. 2 に計算結果を示す.
期間:2023年6月~2023年10月 (4か月おき)
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 1
- 1ケースあたりの経過時間: 30 分
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.09
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 0.00 | 0.00 |
TOKI-ST | 687034.99 | 0.74 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 125.66 | 0.10 |
/data及び/data2 | 419840.00 | 2.59 |
/ssd | 0.00 | 0.00 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 60.00 | 0.22 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2023年2月~2024年1月)