本文へ移動

サイトナビゲーションへ移動

検索ボックスへ移動

サイドバーへ移動

ここは、本文エリアの先頭です。

低コスト回転翼評価手法と火星探査ドローン向けブレードの空力最適設計

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)

報告書番号: R22JACA59

利用分野: JSS大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 金崎雅博, 東京都立大学
  • 問い合せ先: kana@tmu.ac.jp(kana@tmu.ac.jp)
  • メンバ: 秦 力也, 長谷川 奈南, 金崎 雅博, 菊地 大輔, 岸 祐希, 松野 隆, 南角 卓弥, 西村 大生

事業概要

火星探査ヘリコプタや, 地上での可搬型無人ドローンなどでは, マルチコプタ型であることや折り畳みや収納性の制約から, 友人のヘリコプタに対してロータブレードのアスペクト比が小さめとなる. 低コストなブレード評価法として, 翼素運動量理論に基づく手法があるが, 地上での高アスペクト比ブレードに対しては翼素の空力性能を75%スパン位置で代表させることで実用的な評価が可能とされてきた. その一方で, よりアスペクト比が小さいブレードに対しては, 高Fidelityな数値流体力学と乖離した結果が観測されている. そこで, 本研究では代表断面の最適位置や, 翼素の空力係数を与えるための断面数を検証したうえで, 進化計算を用いた火星探査ドローン向けの最適設計を行った.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

本研究では, 進化計算を用いた最適設計を実施する. 設計対象を断面翼型形状とするため, 翼素運動量理論に対し, 設計解ごとに2次元翼型評価が必要となる. 低コスト評価法であることによって, 進化計算の適用が可能となったものの, Navier-Stokes方程式を支配方程式とする数値計算であることから, JSS3の利用が必須である. 確認の計算のために, 重合格子法に基づく数値計算を実施する際にも, JSS3の能力が必要となる.

今年度の成果

アスペクト比が4程度のブレードに対して, 図1に示す通り, 適切なスパン位置の検証を行った. 三角翼を適用した結果, 高推力係数(CT)時に, 65%スパン位置を代表とするときに高FidelityなCFDと良好な一致を見た. これを基準に, 構築手法を評価とした進化計算を実施して, これまでの最適形状を上回る形状(図2上図)が見出された. さらに, 設計形状の提案法での評価結果と高Fidelityな数値流体力学との比較でも良好な一致を見たことから, 最適化のプロセスも清浄であったことが確認された.

Annual Reoprt Figures for 2022

図1: 代表翼素断面位置と推力係数CTとFigure of Merit(FOM)との関係.

 

Annual Reoprt Figures for 2022

図2: 最適解として得られたブレード断面翼型と高Fidelity計算との比較.

 

成果の公表

-口頭発表

菊地大輔, 金崎雅博, 「RMTの改良と火星探査ドローンのブレード断面形状最適化 」, 第66回宇宙科学技術連合講演会, 熊本市, 2022年11月.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 32
  • 1ケースあたりの経過時間: 2 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.02

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 287624.51 0.01
TOKI-ST 89345.16 0.09
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 296.67 0.27
/data及び/data2 12392.33 0.10
/ssd 353.33 0.05

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 2.02 0.01

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 22.36 0.02

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月~2023年1月)