JSS3におけるMADOCAを用いた高精度軌道決定
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JR0800
利用分野: 宇宙技術
- 責任者: 小暮聡, 第一宇宙技術部門衛星測位技術統括
- 問い合せ先: 瀧口 博士(takiguchi.hiroshi@jaxa.jp)
- メンバ: 三好 翔, 永野 達也, 桶谷 正人, 瀧口 博士, 渡邉 誠
事業概要
衛星測位システム技術ユニットでは, 複数GNSS対応高精度軌道時刻推定ツール(MADOCA)を用いて, 高精度測位に必要不可欠な衛星の軌道・時刻情報を定常的に生成し, ネットワーク経由でユーザーに配信を行っている. JSS3では, MADOCAの更なる高精度化を目的とした, 長期間のデータ解析, シミュレーションを高速に行う.
参照URL
「MADOCA Products」参照.
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
MADOCAの高精度化に必要な太陽輻射圧などの擾乱源のモデル化や各種パラメータの最適化には長期間のデータ解析が必要である. JSS3を利用する事で, 計算時間を短縮する.
今年度の成果
昨年度延期した最新のMADOCAソフトウェアとJSS3を用いたMADOCAオフラインプロダクトの再解析を進めた. International GNSS Serviceで行われたrepro3キャンペーンに習い, 解析手順, モデル, データを調整した. データは1992年から2021年までの30年間分をダウンロードし, ヘッダーの修正およびフォーマット変換を行った. MADOCA開発以前のデータもあり, 解析設定の調整を進めている.
来年度は全期間の解析を統一的な解析戦略で解析する設定を決め, 30年分のデータ解析を開始する予定である.
その他, 以下の研究開発にJSS3を用いた.
1)MADOCA定常解析のバックアップ解析(図1. GNSS衛星(左側と右上)と解析に使用した観測局(右下)の配置)
2)MADOCAに新規観測量を用いた模擬解析機能の実装
2-1)擬似観測データ生成
2-2)擬似観測データを用いた軌道時刻推定シミュレーション
3)MADOCAプロダクトを用いた測位解析
3-1)Precise Point Positioning(PPP)精度評価
3-2)PPP定常解析結果の再解析
4)MADOCA予測暦のLegacy Navigation(LNAV)及びCivil Navigation(CNAV)形式へのフィッティング
成果の公表
なし
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 1
- 1ケースあたりの経過時間: 30 分
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.01
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 0.01 | 0.00 |
TOKI-ST | 3631.37 | 0.00 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TST | 218955.53 | 4.59 |
TOKI-TGP | 0.55 | 3.84 |
TOKI-TLM | 4.86 | 0.01 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 1159.00 | 1.15 |
/data及び/data2 | 28510.00 | 0.30 |
/ssd | 400.00 | 0.10 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 0.00 | 0.00 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)