構造・複合材技術に関する研究
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)
報告書番号: R20JA1601
利用分野: 航空技術
- 責任者: 中村俊哉, 航空技術部門構造・複合材技術研究ユニット
- 問い合せ先: 青木雄一郎(aoki.yuichiro@jaxa.jp)
- メンバ: 青木 雄一郎, 笠原 利行, 河邉 拓樹
事業概要
本研究の目的は, AFP(Automated Fiber Placement)により製造されたCFRP積層板中に生じるGap/Overlap等の製造欠陥が強度に与える影響を明らかにすることである.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
CFRP積層板中の製造欠陥を適切に評価するためには, 各層を高精度にモデル化する必要があり, 局所的な応力集中による局所的な大変形等の幾何学的な非線形性も考慮する必要があることから解析結果を得られるまでの時間が長期化する傾向ある. したがって, JAXAスパコンによる並列計算を活用することで, 解析時間を短縮し, 研究を効率的に推進する.
今年度の成果
AFP積層による製造欠陥の一つであるギャップを有したCFRP積層板(図1)を忠実に有限要素モデル化し(図2), 有限要素解析を実施した. 解析結果を理論解と比較することで, 自由縁のギャップ端に高い応力集中の発生と強度低下の可能性を示し, 以下の知見を得た.
1. ギャップと荷重方向が傾いている場合, ギャップ端で繊維方向応力が大きくなる(図3)
2. ギャップ部両側面に層の厚さが次第に減じていくテーパーの存在により応力集中は緩和される(図4)
成果の公表
-口頭発表
末益, 青木, 杉本, 中村, AFP製複合材料積層板中のGapに起因する応力集中に関する一考察, 第12回日本複合材料会議, 2021年3月, オンライン開催
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: 自動並列
- プロセス並列数: 2 – 228
- 1ケースあたりの経過時間: 10 時間
JSS2利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.04
内訳
JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
SORA-MA | 33.10 | 0.00 |
SORA-PP | 12,986.00 | 0.10 |
SORA-LM | 0.00 | 0.00 |
SORA-TPP | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 23.84 | 0.02 |
/data | 49,066.57 | 0.95 |
/ltmp | 4,882.81 | 0.42 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.03
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 0.00 | 0.00 |
TOKI-RURI | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TRURI | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 14.31 | 0.01 |
/data | 48,971.20 | 0.82 |
/ssd | 143.05 | 0.07 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.00 | 0.00 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)