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燃焼器解析に関する研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2017年4月~2018年3月)

報告書番号: R17JTET05

利用分野: 技術習得方式

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  • 責任者: 青山剛史 航空技術部門数値解析技術研究ユニット
  • 問い合せ先: 山本姫子 himeko@toki.waseda.jp
  • メンバ: 山本姫子

事業概要

環境適合性の高いジェットエンジン燃焼器開発に向けて,エンジン耐久性低下の原因となる燃焼振動に代表される圧力伝播と化学反応の双方を捉えることのできる実用的な計算コストを有する数値計算コードの開発に取り組む.また,本計算コードの妥当性を評価するため,DLRのスクラムジェットエンジン燃焼器を対象とした検証計算を行う.

参照URL

なし

JSS2利用の理由

燃焼計算コードの開発・検証計算に取り組む上で,スパコンの利用が必要となる.

今年度の成果

本研究では,密度べースの流体解析ソルバであるFaSTAR(FAST Aerrodynamic Routines)に圧縮性Flameletモデルに基づく燃焼計算コードの実装を実施した.また,Flameletライブラリ参照時の計算コスト低減のため,人工ニューラルネットワーク(ANN)モデルを適用した.ANNモデルには2つの入力ユニット(混合分率とスカラー消散率),3つの隠れ層,そして各化学種質量分率に対応する出力ユニットを与えた(図1:OH質量分率のANNモデル).ANNによるFlameletライブラリの近似は,従来の線形補間によるものと比較して50%以上のメモリ使用量の削減を達成した.また,実際の燃焼場における計算コードの評価のため,ドイツ航空宇宙センター(DLR)のスクラムジェットテストエンジンにおける数値シミュレーションを実施した(図2:ANNモデルによる時間平均密度分布).

Annual Reoprt Figures for 2017

図1: OH質量分率のANNモデル

 

Annual Reoprt Figures for 2017

図2: ANNモデルによる時間平均密度分布

 

成果の公表

■ 査読なし論文

1) 山本姫子,豊永塁,溝渕泰寛,佐藤哲也,G方程式を用いた噴流浮き上がり火炎の数値解析,JAXA Special Publication(宇宙航空研究開発機構),2017.12

2) 豊永塁,山本姫子,溝渕泰寛,佐藤哲也,圧縮性流体解析ソルバFaSTARを用いた超音速燃焼シミュレーション,JAXA Special Publication(宇宙航空研究開発機構),2017.12

■ 口頭発表

1) 山本姫子,豊永塁,溝渕泰寛,佐藤哲也,圧縮性流体解析ソルバFaSTARを用いた噴流浮き上がり火炎の数値解析,第57回航空原動機・宇宙推進講演会,2017.3

2) 山本姫子,豊永塁,溝渕泰寛,佐藤哲也,G方程式を用いた噴流浮き上がり火炎の数値解析,第49回流体力学講演会/第35回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム,2017.6

3) Himeko Yamamoto, Rui Toyonaga, Yusuke Komatsu, Koki Kabayama, Yasuhiro Mizobuchi, Tetsuya Sato, Improvement of compressible flamelet model using artificial neural network, The Asian Joint Conference on Propulsion and Power, 2018.3

JSS2利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: N/A
  • プロセス並列数: 2 – 1024
  • 1ケースあたりの経過時間: 120.00 時間

利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.60

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 4,907,710.77 0.65
SORA-PP 4,541.23 0.06
SORA-LM 1.66 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 476.84 0.33
/data 19,531.26 0.36
/ltmp 1,953.13 0.15

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.48 0.02

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2017年4月~2018年3月)