改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E)運用事業(高次処理試行)
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)
報告書番号: R16J0094
- 責任者: 杢野 正明(第一宇宙技術部門 GOSAT-2プロジェクトチーム)
- 問い合わせ先: 仲村 和義(nakamura.kazuyoshi@jaxa.jp)
- メンバ: 斎藤進,仲村和義,谷口悠司,鳥居雅也,山本忠裕,石丸公基,河瀬祥子,大日向大地,川島康弘,小山謙太郎,伊藤俊,出浦和樹,大久保純一
- 利用分類: 宇宙分野(衛星利用)
概要
AMSR-E高次プロダクトと,AMSR2高次プロダクトを同一のアルゴリズム(改善されたアルゴリズムを含む)で再処理を実施し,提供する.
また,ユーザへのプロダクト提供を迅速化する.
目的
AMSR-E/AMSR2は地球表面および大気から放射される微弱なマイクロ波帯の電波を多周波・多偏波で測定し,様々な地球物理量を推定します.これらの地球物理量は水蒸気量,雲水量,降水,海面水温,海上風速,海氷密接度,積雪,土壌水分などがあります.
これら地球物理量の長期的なデータは,水・エネルギー循環を含む気候システムの解明に役立つと共に,気候変動モニタリングの一角を担うと期待されます.
AMSR-E高次プロダクトを,後継センサであるAMSR2と同じアルゴリズムで再処理を行うことにより,ユーザにとって利便性の高いデータセットを提供する.
目標
本年度は,AMSR-E,ならびにAMSR2の高次プロダクトの処理環境をJSS2上に構築し,同一のアルゴリズムにて再処理を実施する.
一部のプロダクトについては,改善されたアルゴリズムを適応することにより,プロダクトの精度を向上させる.
また,再処理時間の短縮により,ユーザへの提供の迅速化を実現する.
参照URL
なし
スパコンの用途
AMSR-E/AMSR2高次プロダクトを再処理する際の計算機リソースとしてJSS2を利用し,再処理を短期間に実施する.
スパコンの必要性
スケーラビリティの大きな処理環境をもつJSS2を利用し,膨大なシーンの処理を並列で実行することにより,プロダクトをユーザへより早く提供することが可能となる.
今年度の成果
本年度は表1に示すプロダクトの再処理環境を構築した.また,観測期間のうち二年間分の再処理を実施した.生成したプロダクトは順次公開予定である.
また,一か月分の全プロダクトの再処理を並列で実行(64並列で実行)したところAMSR-Eは約7時間,AMSR2は約11時間で処理を完了することができた.
さらに,JSS2への処理アルゴリズムの移植において,異なる環境・コンパイラでの出力結果の違いから,アルゴリズムの潜在的なバグを発見することができ,より正しいアルゴリズムに改良することができた.
成果の公表
なし
計算情報
- 並列化手法: 非並列
- プロセス並列手法: 非該当
- スレッド並列手法: 非該当
- プロセス並列数: 64
- プロセスあたりのスレッド数: 1
- 使用ノード数: 6
- 1ケースあたりの経過時間(時間): 0.0008-0.0014
- 実行ケース数: 41528
利用量
総仮想利用経費(円): 439,991
内訳
計算システム名 | コア時間(コア・h) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
SORA-MA | 0.00 | 0 |
SORA-PP | 22,149.38 | 189,111 |
SORA-LM | 0.00 | 0 |
SORA-TPP | 0.00 | 0 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
/home | 225.03 | 2,122 |
/data | 9,879.43 | 93,193 |
/ltmp | 16,276.05 | 153,532 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 仮想利用経費(円) |
---|---|---|
J-SPACE | 0.66 | 2,032 |
注記: 仮想利用経費=2016年度設備貸付費用の単価を用いて算出した場合の経費
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2016年4月~2017年3月)