JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月～2023年1月)

報告書番号: R22JAR10600

利用分野: 宇宙技術

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• 責任者: 祖父江真一, 第一宇宙技術部門衛星利用運用センター
• 問い合せ先: 工藤 文雄(kudoh.fumio@jaxa.jp)
• メンバ: 段 理紗子, 深井 大介, 後藤 貴志, 平出 尚義, 萩原 浩司, 早坂 英俊, 磯口 治, 今村 功一, 井浪 諒, 池田 隆志, 伊藤 俊, 工藤 文雄, 小林 優介, 黒川 広隆, 川島 康弘, 蒔苗 陽太, 村上 駿介, 村田 真裕, 村本 信裕, 武藤 太郎, 三海 英和, 仲田 季寧, 大塚 克之, 小川 真弘, 横川 宏之, 山田 翔麻, 山口 志野, 山内 信裕, 柳井 僚太

事業概要

陸域観測技術衛星「だいち」および「だいち2号」により取得した合成開口レーダー(PALSAR/PALSAR-2)のデータを加工して, ユーザにとって操作性の高い画像プロダクト(Analysis Ready Data)を生成し提供を行う.

参照URL

https://www.jaxa.jp/projects/sat/alos2/index_j.html 参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

JAXAは, 地球観測衛星データの利用普及を拡大するためのデータ公開整備を行っています.

その一環として, 大量のALOS-2/PALSAR-2の全観測期間分データを処理し, ユーザの利便性の高い画像データを迅速に公開する必要がJAXAにはあります.

これを実現するには, JSSでの処理(最大50並列処理)が最適であるため, JSSを利用をしました.

今年度の成果

今年度, PLASAR-2データのJSS3での処理は,

L1.1:157,678シーン

L2.2：197,309シーン

計 :354,987シーン

ScanSARデータについては, L1.1/L2.2ともに直近(2023.02まで)の全データを処理済み.

SM2,SM3もテスト的に処理を実施した.

昨年度実施したL2.2斜面オルソ補正処理ツール(高速化を行ったプログラム)の差し替えを行い,

テストを実施した. 使用するメモリサイズ(vnode-mem)をこれまでより大きく(84GiBへ)設定する必要があったが,

処理自体の高速化には成功した.

アーカイブ済み, もしくは今年度処理を行ったデータは,

①機関にJSS-IDを取得してもらい, JSSからダウンロード(ユーザによるゲット)

例:NASA-ASFによるPALSAR-2 ScanSAR L1.1の取得

②サーバ経由で伝送(JAXAからのput)

例:AIST/ABCIへPALSAR-2 L1.1@アフリカ大地溝帯データ 792TBを昨年度から継続して調布伝送中継サーバを経由して伝送し, 2023/02/01に完了.

③G-Portalでの注文処理にて, データ伝送サーバ経由で, G-Portalサーバへ伝送(G-Portaユーザによるゲット)

(2000シーンを越える注文あり. )

の経路にて提供されている.

また, JSS3/J-SPACEにアーカイブ中のALOS-2 L0データをALOS-4/EICS従系へ伝送する試験も実施した.

図1: PALSAR-2 ScanSAR L2.2処理画像例

成果の公表

-口頭発表

Pecora 22 Workshop 2C: Improving Global EO Data AccessにてJSSで処理した全数処理データを利用しているとプレゼンを行った.

JSS利用状況

計算情報

• プロセス並列手法: 非該当
• スレッド並列手法: OpenMP, pthread, boost::thread
• プロセス並列数: 1
• 1ケースあたりの経過時間: 1 時間

JSS3利用量

総資源に占める利用割合※1(%): 0.70

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

ISV利用量

※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2022年2月～2023年1月)