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普遍的なLESを実現するSGS応力方程式型モデリングの研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)

報告書番号: R21JCMP08

利用分野: 競争的資金

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 青山剛史, 航空技術部門航空機ライフサイクルイノベーションハブ
  • 問い合せ先: 松山 新吾(matsuyama.shingo@jaxa.jp)
  • メンバ: 松山 新吾

事業概要

本研究では SGS 応力の輸送方程式を解くことにより, 対象とする流れ場に合わせたチューニングを全く必要としない普遍的なLESの実現を目指す. SGS応力方程式は空間フィルタリング操作から厳密に導出されるものであるが, 式に含まれる相関項についてモデリングを必要とし, その良し悪しがLESの解析精度を決める. そこで, 乱流噴流の DNS データベースを利用したアプリオリテストにより相関項のモデリングを行い, 新たな SGS 応力方程式型 LES モデルを確立する.

参照URL

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18K03963/ 参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

SGS応力方程式の相関項をモデリングするためのアプリオリテストには DNS による統計データが必要となる. 本研究で目指すような Re > 10000 以上の高レイノルズ数条件で DNS を実施するには10億点オーダーの格子点数が必要であるため, スパコン上でのみ実行が可能な大規模解析になる. したがって, 本研究の遂行にはスパコンが必須である.

今年度の成果

・Re=104の平面乱流噴流のDNSデータベースを利用したアプリオリテスト(図1)により格子スケール(GS)速度成分とSGS応力に対するSGS速度成分の相関を分析した結果(図2), GS速度成分とSGS応力をインプットとしてSGS速度成分を評価するテーブルを構築できる見込みが得られた.

・SGSモデルが効果的に機能するためにはGS成分が正確であることも重要であるため, SGSモデルを使用しない陰的LES(ILES)により平面乱流噴流のLESを実施した. 高次精度補間スキームなどを使用して十分な空間解像度を実現することでGS成分を正確に評価可能であることを示した(図3および4).

Annual Reoprt Figures for 2021

図1: Re=104の平面乱流噴流のDNSデータベースを利用したアプリオリテストの例.

 

Annual Reoprt Figures for 2021

図2: GS速度(UGS)とSGS応力(tau11)に対するSGS速度(USGS)の相関.

 

Annual Reoprt Figures for 2021

図3: Re=104の平面乱流噴流に対する ILES(九次精度補間), および, DNS による解析結果. x-y 断面における瞬時の渦度分布を表示.

 

Annual Reoprt Figures for 2021

図4: 噴流の中心線(Y/D=0)に沿った平均速度分布の比較結果.

 

成果の公表

-査読付き論文

[1] Shingo Matsuyama, "Implicit Large-Eddy Simulation of Turbulent Planar Jet at Re = 104", under review in Computers & Fluids.

-査読なし論文

[1] 松山 新吾, "SGSモデルなんて飾りです. ユーザーにはそれがわからんのです", 宇宙航空研究開発機構特別資料: 第53回流体力学講演会/第39回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム論文集, JAXA-SP-21-008, pp.167-173, 2022.

-口頭発表

[1] 松山 新吾, "SGSモデルなんて飾りです. ユーザーにはそれがわからんのです", 第53回流体力学講演会/第39回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム, 2021.

[2] 松山 新吾, "陰的LESとDNSの比較を通したLESに関する一考察", 第37回生研TSFDシンポジウム, 2022.

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 750 - 1500
  • 1ケースあたりの経過時間: 460 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 2.63

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 62471135.64 3.04
TOKI-ST 12659.39 0.02
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 62.50 0.06
/data及び/data2 3840.00 0.04
/ssd 12.50 0.00

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 390.94 0.27

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)


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JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
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