超電導分散ファン技術の研究 / 分散ファン推進系設計技術の構築
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月～2022年1月)
報告書番号: R21JDA201P55
利用分野: 航空技術
- 責任者: 石井達哉, 航空技術部門航空環境適合イノベーションハブ
- 問い合せ先: 岡井敬一(okai.keiichi@jaxa.jp)
- メンバ: 岡井 敬一, 雨宮 和久, 小桐間 智也, 賀澤 順一, 正木 亮好
事業概要
本研究では, 将来の電動航空機の燃費低減手法として期待されるBLI条件におけるファンの挙動評価を行うものである. BLI条件では非対称な入口ディストーション流れをこうむることが期待され, BLI条件の強いディストーション下でのファン流れ場の詳細を明らかにすることを目的とする.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
非対称なディストーション下でのファン性能解析計算のためには高精度全周段解析が必要であり, 所期の目標のためにJAXAスパコンを利用する.
今年度の成果
電動航空機で想定される機体埋め込みファンの入口ディストーションを模擬した入口条件におけるファン空力特性解析を実施した. ベースライン形状を基に, 強いディストーション下での特性改善を目指して設定した改良形状を作成し両者の比較を行った. 図1は改良形状の一例として動翼の前方スイープ翼形態を示す.
図2は同一のディストーション流入条件(最高効率点)におけるベースライン形状(上)と改良形状(スイープ翼)(下)での96%スパンでのエントロピー分布を示したものであり, 翼形状の変化によりディストーション下でのエントロピー上昇を抑え, 流れ場の改善の様子を見て取ることが出来る. 図3には図2と同一条件におけるマッハ数分布を示す. 翼形状変更による流れ場の変化が図2に見られる損失低減に寄与していることが示唆される.
図1: 図1 ベースライン形状と改良動翼(スイープ)形状
図2: 図2 96%スパンでのエントロピー分布
図3: 図3 96%スパンでのマッハ数分布
成果の公表
-口頭発表
正木亮好, 河野雅大, 佐藤哲也, 岡井敬一, 賀澤順一, 正木大作, 境界層吸込み(BLI)を模擬したディストーション下における翼傾斜がファン性能に及ぼす影響に関する数値解析, A-8, 第49回日本ガスタービン学会定期講演会, 2021.10
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 486 - 630
- 1ケースあたりの経過時間: 10 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.01
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
| 計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| TOKI-SORA | 234058.51 | 0.01 |
| TOKI-ST | 27690.17 | 0.03 |
| TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-LM | 23.67 | 0.00 |
| TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
| TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
| ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
|---|---|---|
| /home | 782.88 | 0.78 |
| /data及び/data2 | 43407.88 | 0.46 |
| /ssd | 441.06 | 0.11 |
| アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 0.16 | 0.00 |
|---|
※1 総資源に占める利用割合：3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
| 利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
|---|---|---|
| ISVソフトウェア(合計) | 370.26 | 0.26 |
※2 資源の利用割合：対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月～2022年1月)