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複雑形状まわりのLESに向けた高次精度非構造格子法の研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)

報告書番号: R21JACA38

利用分野: JSS大学共同利用

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  • 責任者: 淺田啓幸, 東北大学
  • 問い合せ先: 淺田啓幸(h.asada@tohoku.ac.jp)
  • メンバ: 淺田 啓幸, 宮崎 啓伍

事業概要

本研究の目的は, 複雑形状まわりの高レイノルズ数流れの高精度LESに向けて, discontinuous Galerkin(DG)法をベースとした高次精度非構造格子法ソルバーを開発することである.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

本研究が目指すDG法を用いたLES解析は, 膨大な数の計算格子を用いた大規模解析なため, 実現にはスパコンが必須である. また, DG法は大規並列計算で高い実行効率を実現でき, スパコン上でその真価を発揮する.

今年度の成果

今年度は, 高次精度DG法で用いる粗い計算格子における曲壁面再現性の低下を緩和する手法を構築した. 物体非適合の直交格子法で広く用いられる埋め込み境界法(immersed boundary法, IB法)をDG法へ展開し, 曲壁面再現性を向上する境界条件を考案した. IB法では境界条件を与えるセル境界面から壁面垂直方法にimage point(IP)を設け, IPでの物理量から物理的法則に則してセル境界面(face center, FC)の物理量を補間し, 境界条件として与える. 直交格子法では, FCは実際の壁面(ここでは凸壁面を考える)の外側に位置することが多いが, 本研究が着目する粗い物体適合格子でIB法を用いる際は, FCが実際の壁面の内部に位置する. そのため, IPでの物理量からFCへの物理量には外挿を用いる. また, DG法はセル内部に物理量を有しているため, IPでの物理量はそのセル内部の物理量分布から正確に求める. 図1は, 円柱まわりの音響伝搬解析(非粘性流, マッハ数0.1)で得られた圧力分布を示している. 空間離散化には4次精度DG法を用い, IB法と従来の滑り壁条件の解析結果を比較している. 計算格子には格子収束が得られる十分細かい格子(64×128)を用い, 計算格子は細かいままで円柱の表面を16角形に粗くすることで曲壁面再現性の影響を検証している. なお, IP長さは0.2Δxとし, 参照解は同じ格子で円柱の表面が64角形の場合に得られた解析結果である(滑り壁条件). 滑り壁条件(b)では円柱と音源の間に参照解では見られない圧力が低下する領域(図の黒破線で示す領域)が存在し, これが曲壁面再現性の低下による影響と考えられる. IB法(a)では, この低圧領域がほとんどなく, 曲壁面再現性の向上が見受けられる. 図2に, ある時刻における円柱と音響の間の圧力分布を示す. 横軸は図1(c)に示す円柱からの距離であり, 複数のIP長さ条件を滑り壁条件や参照解と比較した. 円柱付近(0≦x≦1.25)で違いが顕著に見られ, IB法による結果は, どのIP長さでも滑り壁条件より参照解に近い解を得ることができた. また, IP長さを0.2Δxとした場合は, 参照解に大きく近づき, 曲壁面再現性が大きく改善されていると言える. なお, 従来の直交格子法では循環参照を避けるためにIP長さを2√2Δx以上にしなくてはならないことが知られているが, DG法ではセル内部に物理量分布をもつため, IP長さを短くすることができ解が改善すると考えられる. 今年度の解析は, 2次元非粘性流解析という小規模解析のため, JSS3計算ノードは使用せず手元のクラスターマシンで計算を行った(JSSではISVソフトであるPointwiseのみを使用させていただいた).

Annual Reoprt Figures for 2021

図1: 円柱まわりの音響伝搬解析(圧力分布)

 

Annual Reoprt Figures for 2021

図2: 音源と円柱の間の圧力分布

 

成果の公表

なし

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 16
  • 1ケースあたりの経過時間: 5 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.03

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 651497.31 0.03
TOKI-ST 0.00 0.00
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.00 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 135.00 0.13
/data及び/data2 7600.00 0.08
/ssd 1375.00 0.36

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 246.57 0.17

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)


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JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1