次世代吸音ライナ技術の研究開発
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)
報告書番号: R21JDA101P00
利用分野: 航空技術
- 責任者: 石井達哉, 航空技術部門航空環境適合イノベーションハブ
- 問い合せ先: 大木 純一(oki.junichi@jaxa.jp)
- メンバ: 榎本 俊治, 野口 翔信, 大木 純一, 佐々木 大輔
事業概要
将来のターボファンエンジンのトレンドは, 更なる高バイパス比化とそれに伴うショートナセル化である. ショートナセル化により吸音面積が減少することを主要因として, エンジン騒音の増大が懸念される. 本事業の目的は, エンジンの騒音低減と燃費改善を両立させる次世代吸音ライナ技術を開発することである.
参照URL
なし
JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点
吸音ライナ形状や入射音周波数等をパラメータとする多数のケースで解析する必要があるため.
今年度の成果
航空エンジンのナセル内壁等に搭載される共鳴型吸音ライナに関連する空力音響現象を対象とした数値流体解析を行った. ライナ孔形状の影響を調査をするために, 図1に示すような異なる4種の形状を有する計算格子をそれぞれ作成し, マッハ数0.3の層流下に110dBの音波を入射させた. 図2は各孔形状に対する吸音率の評価結果である. 一般的に用いられる円形孔から形状変更することで, 共鳴周波数が変化するものの吸音率向上を見込める結果を得た. また, 孔によって生じる3次元渦構造を可視化する等(図3, 図4), 実験では把握できない詳細現象の解明に寄与した.
成果の公表
-ポスター
野口翔信, 佐々木大輔, 榎本俊治, 大木純一, 吸音ライナ孔形状に対する
3次元空力音響解析, 日本機械学会北陸信越支部2022年合同講演会, 2022.
JSS利用状況
計算情報
- プロセス並列手法: MPI
- スレッド並列手法: OpenMP
- プロセス並列数: 16
- 1ケースあたりの経過時間: 300 時間
JSS3利用量
総資源に占める利用割合※1(%): 0.17
内訳
JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。
計算システム名 | CPU利用量(コア・時) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
TOKI-SORA | 3903971.59 | 0.19 |
TOKI-ST | 27922.41 | 0.03 |
TOKI-GP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-XM | 0.00 | 0.00 |
TOKI-LM | 24.98 | 0.00 |
TOKI-TST | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TGP | 0.00 | 0.00 |
TOKI-TLM | 0.00 | 0.00 |
ファイルシステム名 | ストレージ割当量(GiB) | 資源の利用割合※2(%) |
---|---|---|
/home | 516.67 | 0.51 |
/data及び/data2 | 139605.33 | 1.49 |
/ssd | 5698.67 | 1.47 |
アーカイバシステム名 | 利用量(TiB) | 資源の利用割合※2(%) | J-SPACE | 23.35 | 0.16 |
---|
※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
ISV利用量
利用量(時) | 資源の利用割合※2(%) | |
---|---|---|
ISVソフトウェア(合計) | 274.60 | 0.19 |
※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.
JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)