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GOSAT-2利用研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)

報告書番号: R21JR3501

利用分野: 宇宙技術

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  • 責任者: 久世暁彦, 第一宇宙技術部門GOSAT-2プロジェクトチーム
  • 問い合せ先: 菊地信弘(地球観測研究センター)(kikuchi.nobuhiro@jaxa.jp)
  • メンバ: 橋本 真喜子, 石田 慎, 木幡 賢二, 片岡 文恵, 菊地 信弘, 和田 盛哲, 山崎 朋朗, 吉田 武仁

事業概要

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」(GOSAT-2)が観測する高分解能スペクトルデータから二酸化炭素, メタンおよび一酸化炭素の大気中濃度を導出する. そのための導出アルゴリズムの開発, 検証および改善を行う.

参照URL

パリ協定実現に向けた温室効果ガスの長期観測継続へ~「いぶき2号」による二酸化炭素分布の初解析~
| 地球が見える | JAXA 第一宇宙技術部門 地球観測研究センター(EORC)
」参照.

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

衛星観測データから温室効果ガス濃度を導出する処理を行うためにJAXAスーパーコンピュータを利用する. 1日分の観測データを処理するために, おおよそ100時間のCPUタイムを必要とする. 1ノードあたり12コアを持つプレポストシステムを同時に10ノード利用すると, 1日分の観測データがおよそ1時間で処理できる.

今年度の成果

我々はJAXA/EORCにおいて, GOSAT-2のレベル1データから二酸化炭素, メタンおよび一酸化炭素の大気中濃度を導出するアルゴリズム(レベル2アルゴリズム)の開発を進めている. 我々のレベル2アルゴリズムは, 短波長近赤外(SWIR)と熱赤外(TIR)の観測スペクトルを同時に利用し, 二酸化炭素とメタンの対流圏における濃度を鉛直2層まで導出するところが特徴となっている. また, SWIRが持つ偏光情報を陽に利用することにより, エアロゾル補正の精度向上を図っていることも我々のアルゴリズムの特徴である. これらによってGOSAT-2の持つ本来の性能を発揮させ, 温室効果ガス吸収排出量の推定精度をさらに向上させることを目標としている.

2020年度ではレベル1・バージョン102102を入力データとしてレベル2処理を行なったところ, 二酸化炭素濃度に対しては妥当なリトリーバル結果が得られたが, 対流圏下層のメタン濃度が南半球の海上で低すぎるという問題があった. 本年度では2021年にリリースされたレベル1・バージョン200200を入力としてレベル2処理を行なった.

まずTCCON(全量炭素カラム観測ネットワーク)データとの比較によってカラム平均濃度の精度を検証した. 図1(左)が二酸化炭素カラム平均濃度(XCO2)の検証結果である. 検証にはGOSAT-2とのマッチアップデータが10以上存在する14のTCCONサイトのデータを使用している. 図1の点の色によってサイトを区別している. 全データを合わせるとXCO2のバイアスは0.0 ppm, 標準偏差は2.7 ppmとなっている. また, サイト平均のバイアスは0.7 ppm, サイト間の標準偏差は 2.0 ppmとなっている. GOSAT1号機に対する同様の検証結果と比較すると, サイト平均のバイアス, 標準偏差とも1 ppm程度大きくなっており, 改善の余地があるというものの, 妥当な結果と考えられる. 図1(右)はメタンのカラム平均濃度(XCH4)の検証結果であり, こちらに関してもGOSAT1号機と遜色ない結果が得られている.

図2に二酸化炭素のカラム平均濃度と対流圏下層濃度の月平均分布を示す. カラム平均濃度は妥当な分布と思えるが, 対流圏下層濃度は海上の南半球で大きすぎる. 他方, メタンのほうはカラム平均濃度, 対流圏下層濃度ともに妥当な分布が得られている(図3). 現状では二酸化炭素の対流圏下層濃度が海上で精度良く導出できていないが, 問題点をレベル1プロダクトとレベル2アルゴリズムの両面から調査中である.

Annual Reoprt Figures for 2021

図1: (左) TCCONデータとの比較による二酸化炭素カラム平均濃度の検証結果. (右)同じくメタンカラム平均濃度の検証結果.

 

Annual Reoprt Figures for 2021

図2: (左) GOSAT-2から導出した二酸化炭素カラム平均濃度の2021年7月における月平均値. (右) 同じく二酸化炭素の対流圏下層濃度の月平均値.

 

Annual Reoprt Figures for 2021

図3: (左) GOSAT-2から導出したメタンカラム平均濃度の2021年7月における月平均値. (右) 同じくメタンの対流圏下層濃度の月平均値.

 

成果の公表

-Web

https://www.eorc.jaxa.jp/GOSAT/GPCG/index_GOSAT2.html

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: 非該当
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 1
  • 1ケースあたりの経過時間: 10 時間

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.05

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 CPU利用量(コア・時) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-ST 325090.90 0.40
TOKI-GP 0.00 0.00
TOKI-XM 0.00 0.00
TOKI-LM 0.18 0.00
TOKI-TST 0.00 0.00
TOKI-TGP 0.00 0.00
TOKI-TLM 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 32.10 0.03
/data及び/data2 102720.95 1.10
/ssd 320.95 0.08

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 170.43 1.15

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

ISV利用量

ISVソフトウェア資源
利用量(時) 資源の利用割合※2(%)
ISVソフトウェア(合計) 0.00 0.00

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2021年2月~2022年1月)


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所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1