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AGN周囲における輻射輸送計算

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)

報告書番号: R20JDU10502

利用分野: 宇宙科学

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  • 責任者: 山田亨, 宇宙科学研究所宇宙物理学研究系
  • 問い合せ先: 松本光生, 宇宙科学研究機構 宇宙物理学研究系(koseim@ir.isas.jaxa.jp)
  • メンバ: 中川 貴雄, 松本 光生

事業概要

流体計算モデルのガス構造に基づいてCOのnon-LTE輻射輸送計算を行い, CO振動回転遷移吸収線観測との整合性の確認, また観測結果の解釈を行なった.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

本輻射輸送計算では, 光の波長, ガスの速度, 3次元の位置情報の5次元のデータを取り扱う必要があり, コアごとの計算メモリ分散でだけでなく, 1コアが持つ計算メモリも十分に確保する必要があった. そのため, 本計算で使用したSORA-LMは最適な計算機システムであった.

今年度の成果

活動銀河核(Active Galactic Nuclei, AGN) 周囲に存在する幾何学的に厚い分子トーラスは, AGN からの放射を遮蔽する役割を持つ重要な構造であるが, トーラスの厚みの形成過程や内部構造は未だに明らかでない.

そこで, 我々のグループではトーラス内壁のダスト昇華層を背景光としたCO 振動回転遷移吸収線(波長∼ 4.67 μm, v=0-1, ΔJ=±1) の観測を行う事で, トーラス内部のガスの運動状態, 物理状態に迫っている. IRAS 08572+3915 のCO 吸収線観測では, 複数の速度成分(-160, 0, +100 km/s) を持つガスが観測され, さらに励起状態がボルツマン分布を示すような高温 (数百K) 成分がトーラス内に存在する事を示した (Shirahata et al. 2013). しかし, 観測結果だけでは, このようなガスがトーラス内部のどのような構造に起源を持つのかまでは明らかにする事ができなかった.

そこで, 本研究では電波観測と整合性が確認されている理論モデルのトーラス構造に基づいたCO Non-LTE輻射輸送計算をすることで, 観測された吸収線スペクトルを理論計算で再現できるかを検証した. その結果, Shirahata et al. (2013) と同様に複数の速度成分を持つ吸収線が観測見込み角80 度から50 度で観測できる事を示し, さらに見込み角77度で観測された赤方偏移, 青方偏移した吸収線の成分は, どちらも高温の励起状態を持って, AGN中心から2pc 以内の高密度領域に存在している事を示した.これらの事から, 本研究は観測的な結果と理論モデルの整合性を確認し, さらに観測結果だけでは理解できかった吸収線の起源についての解釈を与えた.

Annual Reoprt Figures for 2020

図1: 観測見込み角77度でのトーラス内のCO分子放射とダスト放射の分布

 

Annual Reoprt Figures for 2020

図2: 観測見込み角77度での吸収線スペクトラム R(4), R(8), R(16)

 

成果の公表

-口頭発表

松本光生, 渦尾泰成, 馬場俊介, 和田桂一, 大西崇介, 中川貴雄, "AGNトーラス内部のCOガスの励起機構と吸収線形成の理論" , 2021年日本天文学会春季年会

松本光生, 渦尾泰成, 馬場俊介, 和田桂一, 大西崇介, 中川貴雄, "分子トーラスでのCO振動回転遷移吸収線観測と理論モデルの比較・検証", 2020年日本天文学会秋季年会

-ポスター

Kosei Matsumoto, Taisei Uzuo, Keiichi Wada, Shunsuke Baba, Takao Nakagawa, Shusuke Onishi "Probing inner structures of molecular torus with CO ro-vibrational absorption lines",Dust2020 in Marseille

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: 非該当
  • プロセス並列数: 32 - 128
  • 1ケースあたりの経過時間: 24 時間

JSS2利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.00

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 0.00 0.00
SORA-PP 20.34 0.00
SORA-LM 0.52 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 7.95 0.01
/data 79.47 0.00
/ltmp 1,627.60 0.14
アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.00

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-RURI 0.00 0.00
TOKI-TRURI 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 14.31 0.01
/data 143.05 0.00
/ssd 143.05 0.07

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)


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所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1