本文へ移動

サイトナビゲーションへ移動

検索ボックスへ移動

サイドバーへ移動

ここは、本文エリアの先頭です。

DBDプラズマアクチュエータを用いたフィードバック流れ制御技術に関する研究

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)

報告書番号: R20JACA26

利用分野: JSS大学共同利用

PDFはここからダウンロード

  • 責任者: 浅田健吾, 東京理科大学
  • 問い合せ先: 浅田 健吾(asada@rs.tus.ac.jp)
  • メンバ: 浅田 健吾, 小川 拓人

事業概要

ロケットや航空機, 自動車といった様々な輸送機周りの流れを, プラズマ放電を利用したDBDプラズマアクチュエータと呼ばれるデバイスを用いることで制御し, 高効率で堅牢な輸送機システム開発を実現する. 時々刻々と変化する流れに対応するため, 本事業では3次元非定常流れのシミュレーションを行い, フィードバック制御手法の開発・実証を行う.

参照URL

なし

JAXAスーパーコンピュータを使用する理由と利点

大規模な3次元非定常流れシミュレーションをJAXAスーパーコンピュータで計算実績が豊富な圧縮性流体解析ソルバLANS3Dを用いて実施可能なため.

今年度の成果

DBDプラズマアクチュエータ(以下PA)を用いたNACA0015翼周り流れ(レイノルズ数:63,000)の剥離制御において, 高忠実度ラージエディシミュレーションを実施し, 本事業でこれまで制御効果が確認されているフィードバック制御モデルの性能検証を行った. 検討する制御モデル(図1)は翼面上に配置された圧力センサーで計測した圧力値の低下を渦の通過と仮定し, 渦の通過に応じて翼前縁付近に配置されたアクチュエータのON/OFFを切り替えるものである.
これまで我々はNACA0015翼周りの流れにおいて失速迎角付近の12度を中心に剥離制御モデルの有効性を示してきた. 昨年度は巡航迎角(4, 6, 8度)における流れに対しても前縁近傍の剥離泡に対して制御モデルが一定の効果をもつことを確認した. 今年度は, より低迎角(2度)のシミュレーションを追加し, 既存の制御手法や低迎角で高い翼性能を示す石井翼のシミュレーション結果と比較し, フィードバック制御モデルの低迎角での有効性を検証した.
図2に迎角2~8度のNACA0015翼周り流れにフィードバック制御モデル(Feedback)とバースト制御(Burst), 非制御(Baseline), 石井翼(ISHII)における揚抗比(L/D)を示す. 迎角4, 6, 8度において, フィードバック制御は既存の制御法であるバースト制御と比較して同等以上の高い揚抗比を得ることがわかる. 一方で, 2度においては非制御時よりも揚抗比が低下しており, フィードバック制御モデルに改良の余地があると言える. この原因を解明するために流れ場の分析を行った. 図3に迎角2度におけるフィードバック制御モデルと非制御ケースの翼面上圧力分布を示す. 制御モデルの適用によって翼上面では圧力は上昇し, 下面で減少している. したがって, これらの差で生じる揚力は大きく減少する. 抗力もわずかに減少しているが, 揚力の減少のほうが大きいために揚抗比が非制御ケースに比べて減少している.
図4に迎角2度のフィードバック制御モデルと非制御ケースの瞬間流れ場を示す. 等値面は速度勾配テンソルの第二不変量をコード長方向速度で色付けしたもので, 渦構造を示している. 非制御流れでは前縁から後縁にかけて大規模な層流剥離泡が生じている. この剥離泡によって翼上面の広範囲で低い翼面圧力が維持されている. 一方でフィードバック制御モデルを適用したケースでは, PAの駆動によって2次元的な渦が生成され, 下流へと流されていく. これらの渦は層流剥離を抑制し, 結果として翼上面の圧力を回復させるはたらきを持つ. このように迎角2度においては当該事業で検討しているフィードバック制御モデルを適用することで剥離は抑制されるものの, 剥離泡によって得られていた揚力が大幅に減少することで揚抗比が低下することがわかった. 今後, 意図した条件下で剥離制御効果を弱めるなど, フィードバック制御手法を改良することでより幅広い迎角で高い翼性能を維持することができるようになると考えられる.

Annual Reoprt Figures for 2020

図1: 提案する翼流れフィードバック剥離制御モデル.

 

Annual Reoprt Figures for 2020

図2: 迎角2-8度における揚抗比(L/D).

 

Annual Reoprt Figures for 2020

図3: 翼周り圧力係数分布:フィードバック制御流れ(Feedback)と非制御流れ(Baseline).

 

Annual Reoprt Figures for 2020

図4: 瞬間流れ場:フィードバック制御流れ(Feedback)と非制御流れ(Baseline).

 

成果の公表

なし

JSS利用状況

計算情報

  • プロセス並列手法: MPI
  • スレッド並列手法: OpenMP
  • プロセス並列数: 79
  • 1ケースあたりの経過時間: 30 時間

JSS2利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.03

 

内訳

JSS2のシステム構成や主要な仕様は、JSS2のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
SORA-MA 133,794.84 0.03
SORA-PP 0.00 0.00
SORA-LM 0.00 0.00
SORA-TPP 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 52.45 0.05
/data 15,315.10 0.30
/ltmp 2,929.69 0.25
アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

 

JSS3利用量

 

総資源に占める利用割合※1(%): 0.01

 

内訳

JSS3のシステム構成や主要な仕様は、JSS3のシステム構成をご覧下さい。

計算資源
計算システム名 コア時間(コア・h) 資源の利用割合※2(%)
TOKI-SORA 0.00 0.00
TOKI-RURI 0.00 0.00
TOKI-TRURI 0.00 0.00

 

ファイルシステム資源
ファイルシステム名 ストレージ割当量(GiB) 資源の利用割合※2(%)
/home 57.22 0.04
/data 15,981.76 0.27
/ssd 190.73 0.10

 

アーカイバ資源
アーカイバシステム名 利用量(TiB) 資源の利用割合※2(%)
J-SPACE 0.00 0.00

※1 総資源に占める利用割合:3つの資源(計算, ファイルシステム, アーカイバ)の利用割合の加重平均.

※2 資源の利用割合:対象資源一年間の総利用量に対する利用割合.

JAXAスーパーコンピュータシステム利用成果報告(2020年4月~2021年3月)


ここは、サイドバー・エリアの先頭です。

おしらせ-最近の追加

Language / 言語

「利用成果報告」の公開

JSS3を利用するには

JSS3 を利用するには 「利用するには 」ページをご覧ください。

活躍する計算技術-最近の追加

所在地

JAXA(宇宙航空研究開発機構) 調布航空宇宙センター
所在地 〒182-8522 東京都
調布市深大寺東町7-44-1